はやく言ってよ
税金会社員

年末調整で取りこぼしている控除
— 書かないと損する申告書の使い方

年末調整は「会社が全部やってくれる」制度ではない。 生命保険・iDeCo・配偶者控除など、自分で申告書に記入しないと一切適用されない控除がある。 書き忘れのまま年を越すと、余分に税金を払い続けることになる。

この記事でわかること

  • 年末調整は「自分で申告書を記入しないと控除が適用されない」制度
  • 生命保険料控除・iDeCoの記入漏れが最も多い
  • 医療費控除・住宅ローン初年度・副業収入は確定申告が別途必要
  • 2026年より基礎控除が58万円に拡大予定
  • 書き忘れた場合は翌年1月末まで修正、または確定申告で還付

年末調整の仕組み — なぜ還付・追徴が発生するか

毎月の給与から天引きされる所得税は「仮払い」。 年末に実際の年収・控除額が確定したら精算するのが年末調整の役割だ。

1

毎月:前年の収入をもとにした「概算税額」を天引き

2

11月〜12月:申告書提出 → 各種控除を確定

3

12月の給与で精算 → 払いすぎ=還付 / 不足=追徴

還付が多い人は控除の申告が多い人。 逆に言えば、申告書を正しく書けば書くほど手取りが増える。

自分で申告しないと適用されない控除

以下はすべて「申告書に記入して初めて適用される」控除。会社が自動で計算してくれるわけではない。

基礎控除申告書

全員毎年

全員が対象。2026年より基礎控除が48万円→58万円に拡大予定。所得2,400万円以下なら必ず記入する。

配偶者控除・配偶者特別控除

毎年

配偶者の年収が201.6万円以下なら対象。年収によって控除額が変わる。収入ゼロでも記入が必要。

扶養控除

毎年

16歳以上の子・親など扶養している家族がいる場合。大学生の子どもがいる人で記入漏れが多い。

生命保険料控除

証明書が届いたら

生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料。10〜11月に届く「控除証明書」が必要。最大12万円の控除。

地震保険料控除

証明書が届いたら

地震保険・旧長期損害保険の保険料。最大5万円の控除。証明書は10〜11月に届く。

iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)

払込証明書が届いたら

iDeCoの掛金は全額控除。国民年金基金連合会から10〜11月に「払込証明書」が届く。記入漏れが多い項目。

住宅ローン控除(2年目以降)

証明書が届いたら

初年度は確定申告が必要だが、2年目以降は年末調整で手続きできる。税務署から「年末調整のための証明書」が届く。

障害者控除

状況変化があれば

本人または扶養家族に障害がある場合。障害者手帳等の有無を確認して記入する。

2026年の改正 — 基礎控除・給与所得控除の拡大

控除の種類改正前(〜2025年)改正後(2026年〜)
基礎控除48万円58万円
給与所得控除(最低額)55万円65万円

2つ合わせると課税所得が最大20万円減り、年収400万円の場合で年約3万円の税負担軽減。 「103万円の壁」も123万円に引き上げられる見通し。

年末調整ではできない — 確定申告が必要なもの

これらは年末調整の対象外。別途、確定申告(または還付申告)が必要になる。

医療費控除

年間10万円超の医療費がある場合

住宅ローン控除(初年度)

購入・入居した年は確定申告が必要

ふるさと納税(6自治体以上)

5自治体以下ならワンストップ特例で確定申告不要

副業・フリーランス収入(20万円超)

給与以外の所得が年20万円を超えたら申告義務あり

株・FXの利益(特定口座以外)

特定口座(源泉徴収あり)は申告不要

今すぐできること

1

10〜11月に届く証明書(生命保険・iDeCo・地震保険)を捨てずに保管する

2

iDeCoに加入しているなら「小規模企業共済等掛金控除」欄を必ず記入する

3

配偶者・子どもがいる場合、控除の対象になるか年収を確認する

4

今年書き忘れた控除がないか確認し、翌年1月末までに会社へ修正依頼する

5

年末調整で対応できない控除(医療費・副業収入)は確定申告の準備をする

よくある質問

年末調整と確定申告の違いは何ですか?
年末調整は会社が従業員の代わりに行う税額の精算手続きです。ただし申告できる控除の種類が限られており、医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・ふるさと納税(6自治体以上)などは確定申告が別途必要です。年末調整で処理できる控除は自分で申告書に記入しないと適用されません。
iDeCoの払込証明書が届かない場合はどうすればいい?
毎年10〜11月上旬に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が郵送されます。届かない場合は国民年金基金連合会のコールセンターに再発行を依頼できます。電子交付(e-mail)を選択している場合はWebサイトからダウンロードします。
12月に転職した場合はどうなりますか?
転職先の会社で前職分を含めた年末調整を行います。前職の源泉徴収票を転職先に提出する必要があります。年内に転職先が決まらなかった場合は翌年に確定申告が必要です。

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