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年金

在職老齢年金
— 働きながら年金をもらうと減額される仕組みと損しない収入ライン

2026年3月31日

この記事でわかること

  • 2025年度の基準額は月51万円。2026年4月から62万円に引き上げ(2025年年金改正法)
  • 給与と老齢厚生年金の合計が基準額を超えると超過分の1/2が減額される
  • 減額対象は老齢厚生年金のみ。老齢基礎年金は減額されない
  • 2022年4月改正で65歳未満の基準が28万円→51万円(2025年度)に緩和。さらに2026年4月から62万円へ

定年後も働き続ける人が増えている。会社員が65歳を過ぎて再雇用・嘱託で働く場合、 老齢年金を受け取りながら給与を得ることになる。

このとき「在職老齢年金」という制度が働く。給与が高くなりすぎると年金が減額・停止される仕組みだ。 「働くほど損をする」という感覚につながりやすいが、仕組みを理解すれば損しない収入ラインは計算できる。

2025年度・2026年4月からの基準額と実際の計算例を整理する。

在職老齢年金の仕組み

基準額は「月62万円」(2026年4月〜)

在職老齢年金の支給停止基準額は毎年改定される。2025年度は月51万円。2025年成立の年金改正法により、2026年4月からは月62万円に引き上げられる。「給与(標準報酬月額+賞与÷12)+年金(老齢厚生年金の月額)」の合計がこれを超えた場合、超過分の1/2が年金から減額される。

対象は老齢厚生年金のみ

在職老齢年金で減額されるのは老齢厚生年金だけ。老齢基礎年金(国民年金部分)は減額されない。フルタイム勤務の場合でも基礎年金は満額受け取れる。

働き続けると年金額が増える可能性もある

在職中も厚生年金保険料を支払い続けることで、将来の年金額が増える。「今の年金が減る」ことと「将来の年金が増える」はトレードオフの関係にある。

65歳未満は基準が異なった(2022年改正で統一)

2022年4月の改正前は、60〜64歳の在職老齢年金は月28万円超で減額だった。2022年4月以降は65歳以上と同じ基準に統一。2025年度は月51万円、2026年4月からは2025年成立の年金改正法により62万円に引き上げ。古い「50万円」という情報は古いため注意。

年金減額のシミュレーション

※ 老齢厚生年金の月額15万円の場合。老齢基礎年金(月約6.8万円)は別途受け取れる。基準額は2025年度51万円・2026年4月から62万円に改定される。以下は2025年度(51万円基準)の計算例。

パターンA
年金月額15万円
月収(給与)20万円
合計35万円
減額額なし
合計35万円 < 51万円(2025年度基準)。減額なし実受給 15万円
パターンB
年金月額15万円
月収(給与)40万円
合計55万円
減額額-2.5万円
超過5万円の1/2 = 2.5万円が減額実受給 12.5万円
パターンC
年金月額15万円
月収(給与)60万円
合計75万円
減額額-12.5万円
超過25万円の1/2 = 12.5万円が減額実受給 2.5万円
パターンD年金全額停止
年金月額15万円
月収(給与)80万円
合計95万円
減額額-15万円
減額が年金額を上回り全額停止実受給 0万円

損しない収入ラインの計算式

損しない月収の上限 = 基準額 - 年金月額(老齢厚生年金)

2025年度は基準額51万円、2026年4月から62万円

【2026年4月〜】年金月額が15万円の場合:62万円 − 15万円 = 月47万円以内の給与なら減額なし

【2026年4月〜】年金月額が20万円の場合:62万円 − 20万円 = 月42万円以内の給与なら減額なし

※ 賞与がある場合は「賞与÷12」を月額に加算する。自分の厚生年金月額はねんきん定期便または「ねんきんネット」で確認できる。

「繰下げ受給」との組み合わせを考える

在職老齢年金で年金が減額・停止される状況なら、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選択する方が合理的な場合がある。 繰下げは1ヶ月あたり0.7%増額し、70歳受給開始で42%増、75歳で84%増になる。

ただし繰下げの損益分岐(元を取れる年齢)は70歳受給開始なら約82歳。 健康状態・家族状況・資産状況を踏まえて判断する。

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