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年金

付加年金と繰下げ受給
— 年金を月400円で増やす方法と、受取を遅らせる損益分岐

2026年3月31日

この記事でわかること

  • 付加年金: 月400円の追加納付で年金が増える。2年で元が取れる破格の制度
  • 繰下げ受給: 1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額。70歳開始なら42%増、75歳なら84%増
  • 70歳繰下げの損益分岐は約82歳。平均寿命を考えると多くの人に合理的

年金を増やす方法は「たくさん稼ぐ」「長く働く」だけではない。 制度の中に、知っているだけで使える「増額の仕組み」が2つある。

1つは月400円で年金を増やす「付加年金」。もう1つは受取開始を遅らせて増額する「繰下げ受給」。 どちらも申請しなければ適用されない。知らなければ使えない。

数字で損益分岐を確認すると、自分にとって得かどうかが判断できる。

付加年金 — 月400円で年金が増える制度

付加年金は国民年金の第1号被保険者(自営業・フリーランス)だけが使える制度。 毎月の国民年金保険料に400円を上乗せして納付すると、将来の年金額が「200円×納付月数」分だけ増える。

付加年金の計算式

納付額(月額)400円
年金増額分(年額)200円 × 納付月数
元が取れる期間2年(全員共通)

納付期間別のシミュレーション

納付期間総納付額年金増額(年)元が取れる
10年(120ヶ月)48,000円24,000円2年
20年(240ヶ月)96,000円48,000円2年
30年(360ヶ月)144,000円72,000円2年
40年(480ヶ月)192,000円96,000円2年

付加年金の注意点

  • ・第1号被保険者のみ(会社員・公務員は不可)
  • ・国民年金基金に加入している場合は併用不可
  • ・iDeCoとの併用は可能
  • ・市区町村の年金窓口で申請。書類1枚、即日完了

繰下げ受給 — 受取を遅らせるほど年金が増える

老齢基礎年金・老齢厚生年金は65歳から受給が基本だが、受取開始を66歳〜75歳に遅らせることで年金額が増える。 増額率は1ヶ月あたり0.7%。1年で8.4%、5年で42%、10年で84%増。

繰下げ年齢別の受給額と損益分岐(基礎年金・2026年度満額)

65歳(通常)

±0%

70,608円/月

年額

847,296円

損益分岐(65歳開始と比較)

66歳(1年繰下げ)

+8.4%

76,539円/月

年額

918,468円

損益分岐(65歳開始と比較)

約78歳

67歳(2年繰下げ)

+16.8%

82,470円/月

年額

989,640円

損益分岐(65歳開始と比較)

約79歳

70歳(5年繰下げ)

+42.0%

100,263円/月

年額

1,203,156円

損益分岐(65歳開始と比較)

約82歳

75歳(10年繰下げ)

+84.0%

129,919円/月

年額

1,559,028円

損益分岐(65歳開始と比較)

約87歳

70歳繰下げが「ちょうどいい」理由

損益分岐は約82歳。日本人の平均寿命は男性81.5歳・女性87.6歳。男性は五分五分、女性は5年以上のプラス。 75歳繰下げは84%増と魅力的だが、10年間年金ゼロで生活できる蓄えが前提。 70歳繰下げ(42%増)は、5年間の生活費を貯蓄・退職金・iDeCoで賄えれば現実的。

繰下げ受給の注意点

加給年金・振替加算は繰下げ待機中もらえない

配偶者がいる場合の加給年金(年約40万円)は繰下げ中は支給停止。この分を含めると損益分岐点がずれる。

繰下げ後の年金額が増えると税・社会保険料も増える

年金収入が増えると所得税・住民税・国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)も増加。手取りベースでは増額率ほど増えない。

途中で気が変わったら一括受取も可能

繰下げ待機中に「やっぱり65歳から欲しい」となった場合、過去5年分を一括で受け取ることも可能(ただし増額なし)。

まず何をすればいいか

  1. 1

    自営業なら付加年金に今すぐ加入する

    月400円・2年で元が取れる。やらない理由がない。市区町村の年金窓口で即日申請可能。

  2. 2

    65歳時点の資産残高で繰下げ判断をする

    「65〜70歳の生活費5年分(約1,400万円)を年金以外で賄えるか」がシンプルな判断基準。退職金・iDeCo・NISAの合計で確認。

  3. 3

    基礎年金と厚生年金は別々に繰下げできる

    基礎年金だけ繰下げて厚生年金は65歳から受給、という組み合わせも可能。片方だけリスクを取る戦略もある。

付加年金は「知っていれば使える」制度。繰下げ受給は「計算すれば判断できる」選択。 どちらも制度の中に最初からある仕組みなのに、申請しなければ適用されない。 知っているかどうかで、老後の年金額が変わる。

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