10万円のパソコンは経費で一度に落ちるか
減価償却の境界線
2026-05-25 公開
この記事でわかること
- ✓パソコンなどの仕事道具は、金額によってその年に落とせるか複数年で落とすかが分かれる
- ✓見る境界線は10万円未満、20万円未満、青色申告の30万円未満の3つ
- ✓節税額より先に、事業で使った実態と購入単位を残すことが重要
副業や個人事業でパソコンを買うとき、「経費で落ちる」という言葉だけが先に走りやすい。
ただし、経費になることと、その年に全額を必要経費にできることは別だ。 10万円を超える仕事道具は、減価償却として複数年に分ける処理が出てくる。
買う前に見るべきなのは「何に使うか」と「いくらの単位で買うか」だ。
境界線は3つある
| 取得価額 | 処理の見方 |
|---|---|
10万円未満 1台・1組など、通常の取引単位で判定する。 | 原則、その年に経費化 |
10万円以上20万円未満 一括償却資産として3分の1ずつ処理する考え方。 | 3年で均等に経費化も選べる |
30万円未満 一定の中小企業者等は年間300万円まで即時償却の対象になり得る。 | 青色申告なら特例余地 |
減価償却の要点
「経費になる」は入口にすぎない。その年にいくら経費化できるかは、金額と申告方法で変わる。
金額別に見るとこう変わる
| 買うもの | 初年度の見え方 |
|---|---|
| 98,000円のモニター | その年に98,000円 |
| 150,000円のノートPC | 3年なら年50,000円 |
| 280,000円の高性能PC | 青色特例ならその年に280,000円の余地 |
※ 実際の処理は税込・税抜経理、青色申告の有無、事業利用割合、貸付用資産かどうかで変わる。
買う前の確認順
- 1
税込経理か税抜経理かで10万円判定の金額が変わるため、自分の処理方法を確認する。
- 2
パソコン本体、モニター、周辺機器を無理に分けず、通常1単位として買うものを単位にする。
- 3
青色申告の30万円未満特例は、使える人と上限がある。決算書の摘要欄まで残す。
節税目的だけで買うと、現金が先に減る
28万円のパソコンを買っても、税金が28万円戻るわけではない。 経費化できた金額に税率をかけた分だけ税負担が軽くなるだけだ。
所得税と住民税を合わせた負担率を20%と置くなら、28万円を経費化して軽くなる税負担は約5.6万円。 残りの22.4万円相当は現金流出として残る。必要な道具なら買う。節税だけなら買わない。
仕事道具は、買う前に経費化の年数まで見ておく
