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税金

退職金の税金
— 退職所得控除の計算式と勤続年数で変わる手取り

2026年3月30日

この記事でわかること

  • 退職金は「退職所得控除」で大幅に圧縮される。勤続30年なら控除額1,500万円
  • (退職金 - 控除)× 1/2 が課税所得。実効税率は極めて低い
  • 勤続20年超は1年あたり70万円の控除。長く勤めるほど有利
  • iDeCo一時金を先に受け取る場合は、2026年以後は10年ルールを確認する

退職金は「退職所得」として分離課税される。 給与や事業所得とは別に計算されるうえ、 「退職所得控除」という大きな非課税枠がある。

結果として、退職金2,000万円でも実効税率が2%未満になるケースがある。 これは日本の所得税制度の中でも屈指の優遇措置だ。

退職所得の計算式

STEP 1 — 退職所得控除額を計算する

勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)

勤続20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)

STEP 2 — 課税退職所得を計算する

(退職金 − 退職所得控除)× 1/2 = 課税退職所得

STEP 3 — 課税退職所得に税率を掛ける(他の所得と分離して計算)

勤続年数別シミュレーション

※ 退職金は「勤続年数 × 50万円」で想定。税額は所得税+住民税の概算。

勤続控除額退職金例課税所得税額概算実効税率
10400万円800万円200万円30万円3.8%
20800万円1000万円100万円15万円1.5%
251150万円1500万円175万円26万円1.8%
301500万円2000万円250万円41万円2.0%
351850万円2500万円325万円56万円2.2%
402200万円3000万円400万円78万円2.6%

退職金2,000万円に税金約41万円 — 実効税率約2.0%

給与2,000万円なら税率40〜45%超になるところ、同じ金額の退職金でも税額は約41万円にとどまる。 退職所得控除の「1/2乗算」と大きな控除額が合わさった結果だ。日本の税制で最も優遇された受取方の一つ。

一時金 vs 年金受取 — どちらが有利か

一時金受取

退職所得控除で大幅減税。実効税率が極めて低い。

ほとんどのケースで一時金が有利

年金受取

雑所得(公的年金等)として毎年課税。公的年金等控除はあるが控除額は小さい。

他に所得がない場合のみ有利になることがある

iDeCo一時金との重複 — 2026年以後の注意点

iDeCoの一時金(老齢一時金)も「退職所得」として扱われ、 同じ退職所得控除を使う。 退職金と同じ年に受け取ると、控除を食い合う形になる。

2026年以降の「10年ルール」

iDeCo一時金を先に受け取り、その後10年以内に退職金を受け取ると 退職所得控除の計算が不利になる可能性がある(通算規定)。 受け取り間隔を10年超空ければ、それぞれ独立して退職所得控除を使いやすい。

「65歳でiDeCoを受け取り、70歳で退職金を受け取る」のように 時期をずらすことで控除を最大化できる。 実際の設計は勤続年数・iDeCo積立額・退職金額によって変わるため、 退職前に試算することが重要だ。

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