本文へスキップ
はやく言ってよ。
社会保険

退職後の健康保険、任意継続と国保どちらが安いか計算ツール

2026年3月31日

この記事でわかること

  • 退職後20日以内に「任意継続」か「国保」かを選ぶ必要がある
  • 任意継続は在職中保険料×2。標準報酬月額30万円が上限で、健康保険料率10.00%なら月約30,000円が目安
  • 国保は1年目が高く、2年目(無収入の場合)は大幅に下がる——2年間合計で比べることが正解
  • 計算ツールで自分の状況をシミュレーションできる

会社を退職した翌日から、健康保険の空白が始まる。放置すると無保険になる。 そして選択肢を間違えると、2年間で数十万円の差が出ることがある。

「とりあえず任意継続」と決めてしまう人が多いが、前年の年収・家族構成・退職後の働き方によっては国保の方が圧倒的に安いケースがある。

決断の期限:退職翌日から20日以内

任意継続を選ぶ場合、この期限を過ぎると任意継続は選べなくなり、 国保または扶養の手続きが必要になります。一度期限を過ぎると、原則として任意継続には戻れません。

退職後の健康保険、3つの選択肢

選択肢メリット
任意継続年収が高いほど上限の恩恵が大きい
国民健康保険2年目から大幅に下がる可能性
家族の扶養最もコストが低い

扶養に入れる場合は迷わず扶養を選ぶべき(本人の保険料ゼロ)。ここでは「扶養に入れない」前提で任意継続と国保を比較します。

任意継続の仕組み

在職中は保険料を会社と折半していた。任意継続では会社負担分がなくなるため、保険料は単純に在職中の約2倍になる。

ただし上限がある。標準報酬月額の上限(協会けんぽの任意継続では30万円)を超えていた場合、上限額をベースにした保険料が適用される。 健康保険料率10.00%でみると月約30,000円が上限目安で、40〜64歳は介護保険料が別途加算される。

計算式

任意継続月額 = min(在職中の月額 × 2、標準報酬月額30万円 × 健康保険料率)

国民健康保険の仕組み

国保の保険料は前年の所得をベースに計算される。退職した年(1年目)は在職中の高い所得で計算されるため、想像以上に高くなる。

一方、2年目(退職後に収入がなければ)は所得がほぼゼロで計算されるため、均等割のみの最低保険料に近くなる。つまり2年目に大幅に下がるのが国保の特徴。

「1年目だけ」で比べてはいけない

任意継続と国保を「月額」で比べると任意継続が安く見えることが多い。 しかし2年間合計で見ると、2年目に国保が大幅に下がる分を加味しないと正しい比較にならない。

比較計算ツール

あなたの条件を入力して、2年間の保険料を比較してみてください。

あなたの情報を入力

15,000円/月
500万円
40歳以上(介護保険料が加算されます)

試算結果

任意継続

30,000円/月

2年間合計: 720,000円

月額固定 × 24ヶ月

国民健康保険

▼ 2年間でお得

30,366円/月

(1年目)

1年目: 364,390円(前年所得ベース)

2年目: 3,500円/月(無収入の場合)

2年間合計: 406,390円

2年間の比較

国保の方が313,610円安い見込みです。 ただし2年目に再就職した場合、国保の合計額はさらに増えます。

※ 2026年度概算。実際の金額はお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

知られていない4つの落とし穴

1. 任意継続は「途中でやめたくなっても原則できない」

保険料の未納以外での解約は原則できません(2023年1月から保険料改定時に解約が認められるようになったが、市区町村への切り替えは自分から申し出ない限り自動では行われない)。「途中で国保に変えようとしたら断られた」というケースが後を絶ちません。

2. 国保は1年目と2年目で保険料が大きく変わる

国保は前年の所得をベースに計算されます。退職した年は高い保険料を払い続け、翌年(無収入の場合)は大幅に下がります。2年間の合計で比べることが重要で、1年目だけで判断すると任意継続の方が「安く見えてしまう」落とし穴があります。

3. 12月退職と1月退職で翌年の国保料が変わる

12月退職:翌年の国保は退職前の高い所得で計算される期間が長くなる。1月退職:退職後の低所得期間が長くなり、翌年の国保が安くなる可能性がある。賞与をもらった後の退職タイミングを1〜2ヶ月ずらすだけで数万円変わることがあります。

4. 任意継続の上限は標準報酬月額30万円

在職中の標準報酬月額が30万円を超えていた場合、任意継続の保険料は30万円をベースに計算した額が上限になります。健康保険料率10.00%でみると月約30,000円が目安で、40〜64歳はここに介護保険料が上乗せされます。年収が高かった人ほど、上限が効いて任意継続が有利になるケースが多いです。

よくある質問

退職後の健康保険はどれくらいの期間に決めればいいですか?
任意継続は退職翌日から20日以内に手続きが必要です。この期限を過ぎると自動的に国民健康保険か扶養への切り替えになります。
任意継続と国保、どちらが安いか判断する基準は?
在職中の月額保険料が約16,500円未満なら任意継続(×2)が国保より安いケースが多いです。年収が高かった(前年所得が多い)ほど1年目の国保は高くなります。ただし2年目に再就職しない場合は国保が大幅に下がるため、2年間の合計で比較することが重要です。
任意継続は途中で国保に切り替えられますか?
原則できません。保険料を未納にすることで資格を喪失させる方法は存在しますが、意図的な未納はリスクがあります。2023年1月以降は健康保険料率改定時に任意解除が認められましたが、毎月変更できるわけではありません。

まとめ:退職時の行動指針

  1. 1

    扶養に入れるか確認する。入れるなら即申請(本人負担ゼロ)

  2. 2

    給与明細の「健康保険」欄の金額を確認し、上の計算ツールに入力する

  3. 3

    2年間の合計で任意継続と国保を比べる(月額だけで判断しない)

  4. 4

    任意継続を選ぶなら退職翌日から20日以内に勤務先の健保組合に連絡

  5. 5

    退職タイミングを調整できるなら、1月退職が翌年の国保を安くしやすい

参考情報・データ出典

協会けんぽ任意継続被保険者の制度・保険料について
厚生労働省国民健康保険制度の概要

※ 当ツールは上記の公的情報をもとに作成した概算ツールです。実際の金額は個人の状況により異なります。

この結果を活かすには

あなたの場合はどうか、確認してみませんか?

あわせて読む

無料ニュースレター

「はやく知りたかった」生活とお金の情報を定期的にお届けします。ご希望の方はメールアドレスを入力してください。無料配信です。

停止希望はX @hayaku_itteyo まで

ニュースレターについて詳しく →

この記事をシェア